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住まいとしての利用価値
近年マスコミ等でもシックハウス問題や欠陥住宅問題が大きく取り上げられるようになり、健康を害する住宅や結露によりダニが発生する住宅の存在が一般にも認知されるようになりました。
こうした住宅が建てられた背景には、戦後の高度成長期以降、家造りが主として供給者側の論理で行われた点にあると当社は考えます。
供給者側の論理では、「住宅とは人間がその中に住むもの」というごくあたりまえの視点が欠如していたことに加え、住宅の資産価値や耐久性を重視せず、住宅を売り易くする利用価値やデザインのみに焦点を合わせる等の問題がありました。
昭和30年代以前の住宅は局所暖房が主体であり、部屋全体を暖めるという発想がなく、外に開放的な造りであったため、通風により換気は十分に行われていました。
このため冬場は寒さに耐える必要がありましたが、夏場は湿度の高い気候の中でも快適に過ごすことができました。
高度成長期以降、人々の生活は大きく変化し、ストーブやエアコンの登場で開放的な家造りは熱ロスの象徴となり、住宅の密閉化が進みました。
人々は生活の便利さを求めて、入浴や洗面、炊事、洗濯等を次々に戸内で済ませるようになり、その結果室内の水蒸気は飛躍的に増加しました。
◆日常生活において発生する水蒸気の内訳◆
(4人家族あたり平均:大人2人、子供2人)
| 吸水・発汗 |
約4.8kg |
| 入浴 |
2.0kg |
| 炊飯 |
1.3kg |
| その他 |
2.1kg |
| 合計 |
10.2kg |
※ちなみに30坪の住宅が、温度20℃、湿度60%時に保有している水蒸気量は約3kg
(出典:「建築計画原論(共立出版)」)
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現代人の生活では、4人家族が一日に住宅内で発生させる水蒸気の量は約10.2kgといわれていおります。
住宅の密閉化は換気不良を招き、加えて冷暖房設備の効率性を向上させるために外壁の内部に断熱材を厚く入れる工法は、壁内に結露を発生させる原因となりました。
水蒸気が大量に発生しているにもかかわらず、十分に換気できない構造となっている現代の住宅は例えればサウナ室のようなものであり、こうした住宅の構造自体が冒頭に挙げた様々な問題の原因となっているのです。

(出典:「住宅断熱の設計から施工まで(財団法人建築環境・省エネルギー機構)」)
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内断熱工法の弊害
なかったにもかかわらず、これまで対症療法や部分的改善しか行ってこなかった点にあります。
中でも最大の問題点は冷暖房の効率を向上させるために外壁の内側に繊維系断熱材を入れる「内断熱工法」を採用し続けてきたことでした。
内断熱工法の弱点として、
1.結露によりカビ・ダニの発生を助長し、構造材にも悪影響を与える
2.壁内結露は構造材にも悪影響を及ぼし、建物の寿命を著しく縮める
3.不均一な断熱であり、熱欠損が生じやすく、熱ロスが大きい
等が挙げられます。
こうした内断熱工法の問題は、現代の住宅建築にデザイナー的視点はあってもエンジニア的視点が欠落していることに起因していると考えます。
つまり、外観や内装といったデザインについては一流デザイナーの採用により消費者を満足させ得るものを提供し続けてきましたが、耐久性や住む人を守るシェルターとしての基本性能に対するエンジニアリングに欠けていたのです。
生活に伴い住宅内部で発生する水蒸気の処理という問題に対し根本的な解決策を施さぬまま、内断熱工法を採用し続けた結果、建築部材の腐食を助長し、耐久年数を著しく縮め、現在ではシックハウス症候群や欠陥住宅の増加等、さらに深刻な問題が発生してます。
本来は住宅の外部面に均一な断熱を施し気密性能と換気効率を同時に向上させるエンジニア的視点での解決が求められていたのにもかかわらず、これを「内断熱」と「すきま風をなくす」という対症療法で解決しようとした結果が、今日のシックハウス問題等を招いたと考えられます。
消費者の意識変化
一方、消費者サイドにも少なからず問題は存在しました。
消費者も住宅に対する知識が十分ではなく、また住宅に資産価値よりも利用価値を求めてきました。
そのため、住宅のブランドに過度に依存したり、また住宅は建築完成が最終目的地とされ、その先の維持・管理についてはあまり考慮せずに購入するといった姿勢も、家造りに対する住宅メーカーの長期的な対応を損なわせました。
しかしながら、バブル経済の崩壊を主たる契機として消費者の意識も徐々に変化し始めています。
環境問題や健康問題を重視し、住宅の資産価値を重視する傾向は近年ますます顕著になりつつあります。イメージやデザインのみではなく、消費者の意識は本来求められるべきであった住宅の基本性能へと重心を移しています。
当社グループはこの意識変化が一時的なものではなく、今後住宅マーケットに非常に大きなインパクトを与えるものと確信しています。
そしてこの問題を解決するには、根本的な原因の分析とそれに基づく合理的な解決策が必要なのです。
◆住まいの中の有害化学物質◆
| 発生源 |
含有する可能性のある主な化学物質 |
| 合板、壁紙 |
ホルムアルデヒド、可塑剤 |
| 木材保存剤、防蟻剤、燃料 |
トルエン、キシレン |
| クリーナー、ワックス |
ホルムアルデヒド、トルエン |
| 塗料、スプレー |
トルエン |
| 家具、カーテン、カーペット |
ホルムアルデヒド、可塑剤 |
| シャンプー、香料、ヘアスプレー |
ホルムアルデヒド |
| ガソリン、カーワックス |
トルエン、キシレン |
| 多目的接着剤 |
ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン |
| たばこの煙 |
ホルムアルデヒド |
(出典:「室内空気汚染の低減のためのユーザーズマニュアル(健康住宅研究会)」) |
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